この記事を読んで、これまでに見かけたり言い寄られたりした数々のクレーマーが思い出された。その中で一番強烈だったのは、やっぱりアレだと思う。
某携帯電話会社のショップにて見かけた光景。
まずとにかく大声だったの迷惑&丸聴こえだった。前後を類推するに、請求金額が思ったより高かった事に腹を立てた客が、プラン変更するから新しいプランを前月使用分の請求に遡って適用せよ、と求めていたようだ。
ク「こんな金額、請求されたってこっちは支払えないんだよ」 店「しかしこちらは既にお使いいただいた分ですので…次々回の請求からは、高くてもこの金額まd」 ク「だから来月じゃなくて、この請求が払えないって言ってるだろ!(怒)」 店「難しいと思いますが、会社の方とも相談させて頂きます」 ク「こっちは生活保護でぎりぎりの請求してるんだから、こんな4万円なんて大金ぽんと請求されても支払い能力がないんだよ!(激怒)」 |
生活保護って点もだけど、店員さんの言う事はろくに聞かずに自己主張だけする辺り強烈だった。大声での威嚇とか犯罪臭すら覚える。
極端な対応例
僕がカスタマーサポートの現場にいた頃の上司は、ラディカルというか数学的な人で、「お金を払わない人はお客様じゃないんだから、請求以外の何かをしてやる必要はない」だった。またその上司は、「お金を払ってくれているなら、契約にある通りの事をしてあげる。それ以上の事はしたらダメ」とも言った。基本的にはその通り。僕はこの上司のもと、(比較的)ラクだった。解約する人いっぱい居たけど。
「困った人達の見極めや対応」のやり方として、上記は断固たる対応方針だけれど、これはBtoBだったからギリギリありだったのであって、toCでやるには余りにリスキーで極端だろう。
悪循環
お客様は神様じゃないんだけれど、そうしてしまっているものがある。
古くは「困った人達」の自意識。そういう人達は昔からずっと、多分一定割合でいた。
それに加えて、Twitterや食べログといった評判拡散システムに対して事業者側が感じるプレッシャー。「決然とした対応でこのクレーマーを追い返すのは簡単だけど、後でクレーマー視点の体験談をネットに書かれると困る」的な恐怖が、ますますクレーマーを増長させ、「困った人達」の割合も増えてしまう。弱気な人には付け入り易いものだ。
丁重にお帰り頂く為に、対応担当者は神経をすり減らし、ストレスを蓄積させる。
冒頭に挙げたリンク先にもある通り、よく取られる対応方法として「契約書の記載内容の拡充」がある。重くて細かくて誰も読めない、読めない訳じゃないけど実際問題読む気を起こさせないから読まずに同意ボタン押しちゃう、そうさせる為の様式に沿った契約/同意書。
Webサイトのプライバシーポリシー、大部分が不適切 - /.J
アメリカではこんな調査があるそうな。一部抜粋。
プライバシーポリシーの平均単語数は2,464語。 これは合衆国独立宣言書(中略)よりも長く、 合衆国憲法全文の半分を超える長さになる。 |
拙ブログでも、Viberのプライバシーポリシーの記事がやけに長期に渡って安定的なPVを稼いる。JOYSOUND DIVEの方もそこそこだ。もし元々のドキュメントが十分わかり易いものなら、こんな記事の存在価値はないのに。あなかしこ。
こういう分かりづらいドキュメントは、結局読まずに契約して後からゴネる「困った人」を量産する羽目になるんじゃないかと、個人的には予想している。
そしてまた契約書が重くなるのか。馬鹿馬鹿しい。
むしろこうしてくれ
ドキュメントを読んだことの証明を同意ボタン一回で済ますのは無理がある。契約内容の読み合わせ、ネット経由であれば対話式ウィザードのような同意形成プロセスを踏んだ方が(面倒臭いけど)後からクレームの割合は減って、メンタルヘルス向上投資も抑えられるんじゃないのかなあ。
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