とは言ってみたものの、 中国嫁日記で更に有名になった井上純弌さんが自分の嫁のロールプレイをすると聞いて購入したというのが本当の所。
天下繚乱については二の次で(ゴメンナサイ)、笑いを求めて読んだ結果、これがもう、お腹痛くって。
あらかじめ:TRPGリプレイで腹を抱えて笑うには、現場のハイなテンションにノッていく事が肝要かも。
まずキャラ紹介。ここでは、これから自分がどんなキャラを演じるかを一緒に遊ぶ皆に伝えて共有することが目的。
葛ノ葉 どんなキャラなんですか。(略) 井上 中国嫁です。 一同 (目をパチクリさせて)は? 井上(以下、ロンロン) 「ロンロンですよ〜」(略)チャイナ服を着た二十六歳。背は高めで胸の大きい人で、性格は月(一同爆笑)。 ー「義経変生譚(1)」リプレイ:天下繚乱より |
凄くよく伝わるけれど、自分の嫁をモデルにロールプレイとか!
具視 (ハッと気づき)これって、井上さんの思う、可愛い月さんをえんえんと井上先生がロールプレイするんじゃ(一同爆笑)。 ロンロン 可愛いって、でもこんな感じなんだよ(笑)。 葛ノ葉 ただの惚気じゃないですか!(一同爆笑)。 ー「義経変生譚(1)」リプレイ:天下繚乱より |
井上は中国語読みでジンサンと発音するそうで、(実在の)月さんは井上さんをこう呼んでいる。で、ロールプレイの中のロンロンにもジンサンと呼ばれる旦那さんがいて、その人はNPC(普通NPCはGMが務める)なんだけれど…。
ロンロン (略)GMに全部やらせるのもなんだし、俺がジンサンの役もやるか(笑)。 具視 (戦慄するように)……ついに自分の嫁だけでなく、自分まで!?(一同爆笑) GM ではどうぞ(笑)。 ロンロン (ジンサンになって)「何者だ!?」(一同爆笑) 具視 すげえ、ジンサンそっくりですね(笑)。 ロンロン まるでジンサンが乗り移ったかのような(笑)。 ー「義経変生譚(1)」リプレイ:天下繚乱より |
それ完全に本人ですから!
かなり特殊な例って気がするけれど、基本はその名の通り役を演じる(ロールプレイ)自体が楽しみであり、遊びである事がよく分かる一幕。僕は戦闘パートも大好きだけど。
ロンロンの旅の始まりにおいて、ジンサンが妻を守って爆死(生死不明?)してしまうくだりでは――。
ロンロン で、ロンロンはジンサンに対して、「ワタシは残る! あなたが……」(言葉を切り、しみじみと)月がそんなこと言ってくれるといいなあ。 葛ノ葉 あのさ、惚気ながらロールプレイするのはやめてくださいよ(笑)。 ロンロン 俺にとっても拷問だぞ、なんで俺はこんなことを始めてしまったんだ(笑)。 (一部略) ロンロン ではロンロンが、「ジンサン、あなたがいなくなっただらワタシは生きてはいけない!」と……、なんで俺、こんなこと言ってるんだろう? 拷問か?(一同爆笑) 葛ノ葉 あのさ、物を口に含んだ時に惚気るのはやめてよ。は、鼻から出る……(笑)。 ー「義経変生譚(1)」リプレイ:天下繚乱より |
自分で始めたセルフ拷問のくせにね。もげろ。
と、笑える所ばかりを抜き書きばかりしてしまって、これではすっかりロンロンがネタキャラに見えてしまうけれども、さにあらず。
経験のなせる技か、中国嫁を持つが故の文化的バックグラウンドなのか、ロンロンはきっちりと清国に出自を持つ、道(タオ)に殉じる覚悟を備えた渋いキャラになっている。ネタバレになるから引用しないだけで。
むしろロンロン以上に義経がネタキャラ。ネタだけに終わってはいないけれど、場の空気をハイにさせるパワーが凄い。愛って。
葛ノ葉は演じるのが難しそうな二面性のあるキャラだけど、とりあえずケモナーとロリコン大歓喜な感じに。締める所は締めるというか、唯一のツッコミ?
具視は自分の世界を強く持っていて、現時点ではちょっと他と絡みきれていない印象もある。今後の成長幅が楽しみなキャラ。どこかの感想でモノローグうざいみたいなのも見たけど、僕は笑って読めたよ。
葛ノ葉は演じるのが難しそうな二面性のあるキャラだけど、とりあえずケモナーとロリコン大歓喜な感じに。締める所は締めるというか、唯一のツッコミ?
具視は自分の世界を強く持っていて、現時点ではちょっと他と絡みきれていない印象もある。今後の成長幅が楽しみなキャラ。どこかの感想でモノローグうざいみたいなのも見たけど、僕は笑って読めたよ。
キャラについてはこんな所にして、天下繚乱というシステムについて。ルールブックとか一切読んでないので細かい点は分からないけど。
まず世界観は江戸後期の日本をベースにしているんだけど、妖怪的なモノの存在と、世界中に発生している時空の歪みのせいで、過去未来の英雄が入り乱れるカオス状態になっているっぽい。
だからプレイヤーとしては、この世界に生きるオリジナルキャラを演じてもいいし、歴史的あるいは伝説的背景を備えた人物をベースにしても良い。このリプレイでは源九郎判官義経その人をベースにしたキャラが主人公。女の子だけど。その辺も無理が通しやすい世界。
もちろん実際に化政時代に生きていた人でも良くて、上の引用で登場する具視というは、かの岩倉具視だったりする。義経と葛ノ葉(玉藻の前)と岩倉具視がパーティを組んで無理がない世界。懐深いなぁ。
僕がつい注目してしまう戦闘関連は、ちょっと大味に感じた。
よく言えばキャラごとの役割がはっきりしているんだけど、悪く言えばどの戦闘でも同じ事をしているようにも見える。まあその分、システム的な戦闘の負担が小さくて、ロールプレイ的な演出(同じ攻撃をするんでも、「どういう風に攻撃するか」を演じる)の余地が多いとも取れるから、好き好きなんだろうけど。
最後にシナリオ的な部分。
このお話はまず各プレイヤーがキャラを作って、それに合わせて物語を作ったとの事で、導入もスムーズだし目的も明確だし展開も燃えやすく訝りやすく。普通に続きが気になる(1とついてる通り、この本で物語は完結しない)。
シナリオ的には終盤まで伏せておくつもりだったろうキャラクターの正体が、うっかり判定ロールでクリティカルが出ちゃったばかりに明らかになってしまったのはGMのミスなのかも知れない。けれど、僕はこういったごっつぁんクリティカルやうっかりファンブルがもたらす予測不可能性が楽しくて、これからもリプレイを読んでいくだろうと思う。
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