理由は複数ありますが、今回はアプリが抱える問題点を指摘しておきたいと思います。
前置き
電子書籍サービスを選ぶ上で、書籍のラインナップを気にしない方は居ないと思います。それに応えて各社も数万点からの書籍を揃えて、数やジャンルの充実を謳っています。
それは良いんですが、紙で出版されている全ての本となると数万点では全然足りないわけです。つまりどのサービスにせよ「取り扱ってない本」が多数存在するわけですね。
取り扱ってない本が読みたい時
リアル書店の場合、探している本がそのお店にない場合には
- 取り寄せをお願いする
- 別の店舗へ探し歩く
- amazon等の通販で頼む
特にお取り寄せは強力で、出版元で絶版になっていない限りは概ね手に入ります。古書店を上手く探し歩けるなら、絶版になった本でも案外見つかるものだとか。通販は楽で便利ですよね。
しかし電子書店の場合はどうでしょう? 自分がどうしても読みたい本が、登録している電子書籍サービスで扱っていないとしたら…。
- 目的の本を入れるようサービス事業者にリクエストしてみる
- 別のサービスにも登録してそっちで読む
- 紙の本を買う
2.は不可能ではありませんが何より面倒です。本の数が増えてきたらどっちのアプリにどの本が入っているか分からなくなってしまいます。
結局3.に行き着いてしまうと思うんですよね。せっかく電子書籍リーダーを持っているのに。
自分でなんとかしよう
「紙媒体に何らかの不満があるから電子リーダーを使っている人」にとっては、紙の本の所有を強いられるのは面白くないでしょう。
かといってサービス事業者に対して「全ての書籍を取り扱え!」と求めるのも酷な話です。無いものは自分でなんとかするしかありません。
自分で。そう、自炊です。
紙の本を買ってきて、自分で裁断してスキャンして電子化する。
これで解決でしょうか? いいえ。
事業者が提供するアプリの多くは、その事業者がやっているサービスで買った本しか読む事ができません。自炊して作ったファイル(例えばzipファイルとか)に限らず、そもそも買ったファイル以外を読み込む機能がないのです。
現時点で僕が確認している限り、それができるのはBookWebPlusの専用リーダーアプリ「Kinoppy」だけのようです。
(この記事をアップした時点では、Kinoppyも出来ないと誤解して書いてしまっていました。お詫びして訂正いたします。→BookWebPlusのレビューはこちら)
これでは、上で挙げた別サービスに登録するパターンと同じです。自炊した本はzipビューワで、電子版を買った本は電子書籍アプリで読む、という。そんなの覚えてられないって!
外部ファイル(zipとPDF)対応
これですよ、これ。これが出来ないアプリ(を提供しているサービス)は端から検討対象外にしちゃいます。
まず、自炊をやっている人間の視点で。
自炊ってメンド臭いんですよ。ちょー大変ではなくても地味に手間なんです。やらずに済むならこんな事やりたくないんじゃないかな、多くの人は。
だから電子書籍サービスには興味津々のはずです。しかしzipやPDFが読めないので、これまで手間暇かけてスキャンしてきた愛書達を一元管理する事ができない。
このニーズに切り込まない手はないんじゃないですか? 切り込んでくださいお願いします。
また別の視点。ダーティな話ですが。
自炊する人の中には、スキャンした本をネットに公衆送信してしまう輩がいるようです。これはもちろん違法行為です(日本に限らず多くの国で)。
そして、こうした違法なファイルをありがたがって入手する層も存在します。彼らは出版業界に1銭も落としていない厄介者です。
彼らに対して、「お金払わないなら本読むな」というよりは「お金払ってもっと本読んでね」と働きかける方が生産的ですよね。
例えば彼らが連載中の漫画を違法ファイルで読んでいたとしましょう。最新刊がまだネットに上がっていないような時に、同じビューワアプリから簡単に新刊(正規版)を探して購入できるような仕組みがあれば、絶対そっちから買うと思うんですよ。そして次巻以降もお金を出して発売日に買うでしょう(漫画が面白ければね!)。
海賊版を撲滅する方法なんて、価格面では勝てっこないのだから、利便性を上げていくしかないんじゃないでしょうか。
※ 違法ファイルの利用を肯定するつもりはありませんが、「既に入手してしまった違法ファイル」をどうこうするより「今後違法ファイルに手を出さないように」を重視した結果です。 ※
PerfectViewerみたいなビューワ機能があって、端末台数制限がなくって、漫画とラノベが充実した電子書籍サービスがあったらマジで登録するんですが。はぁ。
謝辞
本エントリを書くきっかけとなったのが以下のブログ記事です。
自分で試すのは結構かったるい内容なのでとても参考になりました。ありがとうございます。
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