わざわざ指摘するまでもない(と僕は思っています)が、これを悪用する人は絶対に出てきます。システムは性善説で作ったらいけませんて。
早速警鐘を鳴らしてくれているのが以下のエントリ。
これまでも似た問題はずっとあったのですが、このサービスは無断転載等をした人間に即座にお金が行く点が厄介です(正しく使う人にとってはそこが有り難い点ですし、サービスの売りもそこなんですが)。
ちなみにこのサービスは米国産で、利用規約やなんかも現時点では英語オンリーです。悪用したい人はさほど気にしませんが、自衛したい著作者にとっては非常に面倒臭い。
すみません大間違いでした。むしろ逆で日本語スタッフいないっぽいです。
本エントリではタイトルの通り、もしあなたの著作物が知らぬ間にGumroadで売られていたら、どうすべきかを利用規約から抜き出して整理します。
前置き
以下では、2012年2月14日現在のGumroad利用規約(Terms)に記載されている連絡方法を整理します。
(利用規約はいつ変わるか分かりません)
やるべきこと
Gumroadにメールまたは郵送にて連絡をとります。
- メール→ hi@gumroad.com
- 郵送→ Gumroad, Inc., 130 Langton Street, San Francisco, CA 94103
- この連絡を入れている著作権者の代理人の、物理的または電子的な署名(本人なら本人の署名でしょうね)
- 権利を侵害されたという著作物についての説明(写真ならいつどこで撮影とか?)
- 権利を侵害して販売しているURL(当たり前ですね)
- 連絡を入れている人間の連絡先(住所、電話番号、メールアドレス等)
- 上記が著作権者やその代理人からの許可を受けていないものだという声明(本題)
- この連絡に嘘偽りはないという宣誓(なんかアメリカ的?)
署名って文字通りの署名で良いのか?とか、ちょっと僕には良く分からないです、すみません。
ただハッキリ読み取れるのは、著作権者と何の関係もない「善意の第三者」からの報告では意味がないという事です。
連絡をいれた後
上記を満たした連絡であれば、Gumroadは侵害コンテンツを削除してくれるかも知れません(必ずしも侵害が明らかでなくても、そのように見えれば削除しうるそうです)。また、違法にアップロードしたユーザのアカウントを削除する事もあるようですが、はっきりした基準は不明です。
ただし問題は
このエントリのタイトルは実はちょっと正確ではなくて、本当は「もしあなたの著作物が知らぬ間に売られているのを『発見できたら』」。
順番的に一番最初の問題点はそこなんです。実際のところ殆どの場合は発見できない・気付けない。TwitterやFacebookで流れる無数のURLを1つ1つチェックするような非現実的な手間をかけられるなら別ですが。
その手間を現実的にする1つの方策は、目を増やすことです。つまり先ほども話にあがった善意の第三者による通報ですね。
ところがGumroadにせよ他の際どいサービスにせよ、善意の第三者からの通報は受け付けていません(削除の正当性が無いという点で、その拒絶は理解できます)。
もういっそ「善意の第三者から権利者への通報窓口」みたいなものをどこかに作れませんかね。
- 著作権者はそこにペンネームと連絡先を登録しておく。
- 第三者はフォームを通じて著作権者に無断転載していると思われるURLを報告する。
- 但しそのURLによるフィルタがあり、同じURLの通報が一定期間に何件も重複して届く事はない。
某かの枠組みがないことには、現在既にそうであるように、海賊ばかりが得をするようなWebが続いてしまうような懸念があります…。
個人的に本当に危惧しているのは、そうした事態の先にあるDRMの強化と、自分が買った作品すら自分の好きなように観られなくなるような展開なんですけどね。
以下、引用のみ
利用規約のページから、上記で意訳・抜き書きした部分の原文を引用します。
17. Digital Millennium Copyright Act Notice.
The above information must be submitted to the following DMCA Agent:
Designated Copyright Agent: Gumroad, Inc., 130 Langton Street, San Francisco, CA 94103 hi@gumroad.com (only DMCA notices will be accepted at this email address. All other inquiries or requests will be discarded).
Upon receiving your complaint, Gumroad may remove content that you believe infringes its copyright. In addition, Gumroad may terminate the account of the member who appears to be infringing your intellectual property rights.
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引用ここまで
If you want to help with Japanese translations (or others), email: hi@gumroad.com
返信削除は、「日本語かを手伝ってくれるならメールちょうだい!」って意味なので、全然誤解ですよ…
はじめまして。
返信削除通りすがりに一点だけの指摘ですが、
>If you want to help with Japanese translations (or others), email: hi@gumroad.com
もとのツイートも一応確認してみましたが、これは、「日本語その他への翻訳を手伝ってくれるならメールしてね」だと思います。ですので、日本語での連絡は難しいのではないでしょうか。
"If you want to help with Japanese translations (or others)"
返信削除これですが、"want help"(助けが欲しい)ではなく"want to help"(助けたい)なので、日本語が分かる人を募集しているという意味になります。むしろ逆にこんなツイートがされたということは「日本語が分かるスタッフが居る」可能性は低いということですよ。
文中のGumroadのtweetですが、「日本語翻訳をしてくれる方はご連絡ください」なので、少なくとも日本語翻訳能力のあるスタッフが居ないことを示していると思います。
返信削除問い合わせ時には英語で送る必要がありそうです。
お恥ずかしい限りです。皆さんご指摘ありがとうございます。訂正をいれました。
返信削除>これまでも似た問題はずっとあったのですが、このサービスは無断転載等をした人間に即座にお金が行く点が厄介です
返信削除FAQによれば即座に支払いではなく月末払いのようですよ。
IT系契約書等を翻訳した経験からコメントです。上記の「この連絡に嘘偽りはないという宣誓」の部分、原文のunder penalty of perjury は「偽証の罪を犯せば処罰されるという条件で」という意味ですね。except as otherwise agreed by the partiesとあるので、gumroad側と合意できれば、係争を処理するための裁判地を選べるようです。なのでカリフォルニア州サンフランシスコ郡内の裁判所以外を選べる可能性があります。
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