いや、それはそれで面白いですし、文体とかはいわゆるラノベ文体そのものなので非常にサクサクと読めますが。
表紙のロリっ娘は小学生時代の桐乃のようです。み、見えねー。でも他に該当者いないし桐乃だよな…。京介の表情も今と全然違って面白いですね。というわけで11巻は、過去編でございます。
なぜ京介と桐乃が冷戦状態になってしまったのか、なぜ桐乃が麻奈実を強烈に嫌ってきたのか、その辺りの背景が(やっと)詳らかにされます。
あ、以下の感想に明確なネタバレはありません。
思えば京介というキャラクターは、普段は平凡を自称し割と無気力で事なかれ主義的なスタンスを保っているのに、人生相談が絡むと別人かと思うような熱量でぶっ飛んだ行動をとれちゃうキャラクターでした。シリーズ開始当初は相談主が桐乃ばかりだったので、妹の事が絡んだ時だけ人が変わる変態にしか見えなかったわけですが。
巻を重ねるにつれ、相談主が誰であっても変わらない、ちょっと行き過ぎなお節介を発動させずにはいられない熱血人助けキャラである事が分かってきました。Fateのシロウみたいな。ココロコネクトの太一みたいな。
で、そうなるとその熱血人助け博愛主義(?)と、普段の事なかれ主義との間に結構大きなギャップが生じるわけですが、そのギャップがこの11巻で綺麗に埋まりましたね。
ただなんとなくではなくて、はっきりと自覚的に京介は変わったのでした。しかもそれを明確に願って、変わって欲しいと伝えた人物もいたのでした。更には、なんで変えてしまったんだと反発した人物も。
こうしてまとめて振り返ると、これまでの10巻でも大枠は既に語られていたんですよね(←読解力がないのでまとめてもらうまでちゃんと気づかない)。11巻はディティールを描いただけと言えるのかも知れません。
人によって色々価値観は違うでしょうけれど、僕としては京介を支持したい。京介を好きになるお話でしたね。
「あなたにはこういう人であって欲しい」とか「あなたはこういう人だと思ってた」とか、誰しも他人に対して願望や期待はしてしまうものですが、なんであれキツいと、僕は思っちゃうのです。人がどんな人なのか規定して良いのは本人だけで、本人以外の誰がそれをしてもそれは酷い押し付けですよ。しかも、○○をしろという行動の押し付けならまだしも、○○な人になれという人格の押し付けなんて。重過ぎてキツいです。そこは自分で決めさせてくれ。
このお話の中で、唯一他人の人格に口を出さず、自分の人格を規定し続けようとした京介は、格好良いと思いますよ。同じ視点でヒロインを選ぶと、残念ながら加奈子になっちゃいますが(加奈子も嫌いじゃないけど)、僕は黒猫派です。厨二病大好き。
次巻で最終巻だと騒がれていますが、そして最終巻では誰か一人ヒロインが勝ち残ると思われますが、11巻に書かれているのは
最終巻に続く。
の文言だけ。
最終巻とは言った……! 言ったが……
今回 まだ 次が最終巻とは 言っていない
そのことを どうか諸君らも 思い出して頂きたい
つまり…… 作者がその気になれば 次に出るのは
11.5巻 11.99巻 ということも 可能だろう………ということ……!
ところで、桐乃が京介に抱いている(家族愛を超えた)感情について、麻奈実は「異常」「気持ち悪い」と評しています。これ、ちょっとギョッとしてしまって、ギョッとした自分にビックリしました。
言われてみれば確かに、兄妹間で発生する本気の異性愛なんて異常としか言いようがないんですが、最近のサブカルに浸っているとそういうの忘れそうになりません?
物語の中に妹が登場したら、「お兄ちゃんの事が大好きに違いない」と考えるこの感性。
我ながらキモい。
どうしてこんな残念な感性になってしまったのか…、原因は中妹くらいしか思いつきません。
や、もちろんフィクションの上での話ですよ?現実をそういう目で見たことはないです。
ただちょっと思ったのは、「妹を見るとお兄ちゃん子に見える」のも「男性が二人居るとカップルに見える」のも似たもの同士なんだから、お互いにキモいとか言い合ってないで仲良くしたらいいと思います。
僕みたいにどっちもイケる人も居るしね!(ぇー)
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