バクマン。のバトル展開がイマイチだよ!
以下ネタバレ全開。本巻の紹介と何がイマイチだったか書いていきます。
前置き
まず、17巻に収録されている9話のうち7話は七峰リベンジ編(←勝手に命名)です。このシリーズ、僕は余り楽しめなかった。
その理由を一言で言うと、せっかくのバトル風展開を七峰君の自滅で終わらせたから、です。
僕の誤解
以前に七峰君が登場したシリーズでは、手段は問わないからとにかく1位を目指すキャラという位置づけで、その動機まで語られる事はありませんでした。
ただ、自分が1位でなければ気が済まないような人物があえて漫画というジャンルを選択する理由を他に思いつかなかったので、七峰君は漫画が好きなんだ、と思い込んでいたのです。好きだから1位を欲するんだと。
シリーズ終了時の退場の仕方も割とカッコ良くて、僕の中で好感度は低くなかったんですが。
しかし彼は予想を越えてゲス野郎でした。
一番のゲスポイントはもちろん東さん達を捨て駒にしたその行為ですが(最初から原作つきでやっときゃ良かったのでは)、個人的に許せないのはこちら。
(ネームを見せて) 響「いかがでしょうか」 七峰「わかんねー僕が見ても仕方ない」
ー「バクマン。(17)」P25より
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小杉「?まさか……自分が載った『ジャンプ』をまだ見てないわけじゃないよな?」
七峰「見るわけねーだろ自分のところしか見てねーよ」
ー「バクマン。(17)」P143より
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こいつ漫画好きでもなんでもないじゃん…。ぺっ。
というわけで七峰君は「読者の共感を誘わないタイプの悪」として再登場しました。
それ自体は良いと思うんですよ。変に共感を誘う人間臭い悪役が(RPGとか特に)増える中で、心から嫌いになれる敵はいっそ貴重なほどです。
しかも七峰君の会社には実力もかなりある(面白いマンガを作れるシステム)という設定ですから、バトル展開の敵役としては申し分ありません。
悪の自滅
七峰君自体は魅力ある敵キャラなのにこのシリーズがすかっとしないのは、終わらせ方に問題があるのだと思います。
キャラクターの心
人の気持ちが分からなければ人の感情は描けないよ
ー「バクマン。(17)」P146より
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…ってドヤ顔で言われても。
確かに七峰君は人の気持ちを大切にしてこなかったし、それで痛い目を見るのは良いんですが、それじゃバトってないじゃないですか。
主人公コンビがぶつけた一話完結モノは新しい試みではあったかも知れませんが、人の気持ち云々という内容ではありません。むしろ代原を入れた流れからすると感情描写=東先生に負けた形になるでしょう。
- バトル展開かと思ったら悪が自滅して終わったでござる
- 主人公と悪役が戦いを始めたけど主人公が他の事やってる間に老戦士が魔王を倒しちゃったでござる
主人公コンビの新連載は
読者が共感しづらい、不快にすらなるような敵役とのバトルになるそうですが、是非バクマン。を反面教師にしてちゃんと戦ってちゃんと終わるようにして頂きたいと思います。そこさえ外さなければきっと面白いよ。
「思いっきりイカレてて」「ものすごくエグい」「かなり不快になる」キャラクターって、表現のしようによっては物凄い魅力的になりますよね。僕の好みでいうと貝木泥舟とか。
偽物語 公式サイト > キャラクター > 貝木泥舟
ただ、貝木より先にやっぱり思いつくのは、
バクマン。(17)p173より |
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