2012/01/06

漫画感想)夏目友人帳(13)/緑川ゆき

アニメ4期(夏目友人帳 肆)も始まってますます好調な最新刊のご紹介。

いやー、夏目成長してるね!良い感じです。以下、ネタバレちょっとあり。


良い感じの成長

声をあてている神谷浩史さんもイベント等で言っていたけど、当初と比べて夏目の他人との接し方は本当に大きく変わった。それがよく分かる13巻だった。というのは、この巻には最新のエピソードと過去(笹田が転校する前だから、第2巻以前)の短編が収録されているからだ。

(アニメと違って原作だと笹田さんは転校して居なくなってしまうのです。涙)

久々に最初の方を読んでみたけど、最初の頃ってわかり易いくらい他人との間に壁を作っていたんだよなー。妖と心を通わす話ばっかりで、人間との交流が浅かった気もするし。
それが最近の話だと、妖はオマケで対人関係がメインになりつつある。

夏目の変化を、田沼や多軌が助け、名取が(きらめきながら)導いたのは間違いないけど、夏目自身の力も大きい。
だって普通こういう過去を持ってたら、精神的にひきこもってしまってもう2度と他人に心を開くもんかーみたいな所まで行きかねないと思うよ。夏目も壁を作ってはいたけど、その壁越しに他人を気遣い続けていた点が割と尋常ではない人格な気がする。

的場「人は臆病でしょう その心や命を脅かすのが妖ならそれを祓うのが我々祓い屋の仕事 ――君はあの家に帰ってそこに起こる災いが自分や妖のせいだと思うことはないのですか? それに堪えていけるのですか?」
(一部略)
夏目「おれにはおれの つながりかたがあるんです

ー「夏目友人帳(13)」P83〜84より

この場合、心を脅かしてるのは誰あろう的場本人だけども。命を脅かす人間だっているしね。酷い勧誘の仕方もあったもんだ。
でも、それを跳ね除ける事ができるのも現在の、人間とのつながりに確かさを感じられている夏目なればこそ。自信を持ってそう言えるようになって本当に良かった。

孤独だった頃の夏目もそれはそれで良かったけどね!

――今回限りです あなた達を手伝うためじゃない
――自分のために これから自分が守りたいものをどう守れるのか 何とどう闘っていけがいいのか 知るために―――…

ー「夏目友人帳(13)」P68より

このモノローグの直前で夏目は、名取の言葉(君の力になれるのが嬉しいよ)を回想しており、「誰かの力になれる自分」を目指していきたいのかな。彼は現時点での自身を「ずっと誰かに助けられるばかりだった人間」と捉えていそうだ、そんな事ないんだけど。

その辺は誤認矛盾も含めつつ夏目という人格だし、非常に好ましいけど、その芯の強さと人間愛(妖もか)はどこから来たもんなのか。やっぱ塔子さんの愛情が秘訣か?

ニャンコ先生の扱い

今回はモブを含め、ニャンコ先生を見慣れていない人が沢山登場した。結果、以下のような扱いを受ける羽目に…。
  • 何か重量感ある物
  • 俵型の猫っぽいもの
  • 俵型のたぬきっぽいもの
  • これ何猫?
  • こんな妙な猫
  • すげーボンキュッボンだな
そんな皆して重さとか太さを強調せんでも。最後の3つは全部西村が1コマで発した台詞です。

西村&北本編

特別編、ということでいつも夏目の傍にいて妖は見えない二人組がメインの話。たまにごっちゃになるけどお調子者っぽいのが西村で、ちょっと落ち着いてて妹に弁当作ってもらってる(!)のが北本

西村編みたいな事件があったんだと知ると、いつだったか田沼が指摘した「夏目は俺達を巻き込まないようにしてるんだと思う」って行動方針の源泉はこういう所にあるんだろうな、と思う。
ところで田沼のこの台詞がいつどこのものだったか思い出せない…漫画だったかアニメだったかすら分からないから探すのもしんどい。どっかで言ってたよね、うん。

北本編。意外な展開。というかこれは結構深くて重いのでは。
夏目は、過去(祖母の遺した友人帳)を通じて妖と・妖を通じて人とも関わりを持つ中で、やっと現在は周囲に良好な人間関係を築きつつあって、本人もそれを大切にしたいと思っている。

夏目「――北本…おれさ 本当はずっとここにいたいんだ きっとそれじゃだめなんだけど もうどこへも行きたくないよ ここが好きなんだ ずっとここにいたいんだ」
北本「――そっか…よかった… ――よかったな夏目」

ー「夏目友人帳(13)」P179〜180より

よかった、よくなった。それは確かなんだけど。そこに「将来」って視点を加えるとまた新しいテーマになっちゃう。
メタな読み方でアレだけど、夏目友人帳は漫画としてはよくある「1年間を何度くり返しても主人公達は進級も進学もしない」というルールだと思っていた。その方が読んでて安心感があるし、進路とかって問題がこの作品の中で大きな存在感を出すのは好ましくないし。

でも北本の話を読んで、あぁ夏目達もいずれ卒業していくんだな、と。これまでそういう事を考えて読んでなかったからちょっとびっくりしたよ。
卒業して就職したとして、一人暮らしなんて塔子さん許してくれるんだろうか(許してくれないと思う)とか、ニャンコ先生どうすんだ(職場に猫?を持ち込むつもりか)とか、名取さんが色々お節介焼きそうだ(間違いない)とか、色々想像してしまう。

ん、就職…スーツ…。

扉絵が印象的

的場編の扉とカットでは、夏目が普段しない格好になっていて、その内2枚ではスーツ姿になっている。新鮮っすね。彼は制服姿か私服(大抵エリのあるシャツ?)、カットだと浴衣みたいな軽い和服を着ている事も多いけど、スーツ姿ってこれまであったっけか。
というか、斑状態でこんなに可愛らしいニャンコ先生は本当に初めて見る気がするぞ。これいいなぁ!


そんなこんなで、次巻もアニメも楽しみにしております。

2 件のコメント:

  1. 感想読みました!
    私も夏目友人帳大好きです。
    本当に温かい物語で、毎回ジーンときます。
    私も似たような過去を持っていたので、共感して読んでいました。
    つらい過去があっても、楽しい今があることに気づかされる物語です。
    西村達は本当にいい友達だと思います。
    それと、私とっても猫が好きで、にゃんこ先生がめっちゃ可愛いです!
    でも一番は夏目ですね。
    長くなってすいません。
    これからもアニメも漫画も楽しみです!

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  2. コメントありがとうございます!そうですね、ほんとあったかいお話ですよね。
    アニメは4期を欠かさず観つつ、録画してある1〜3も見返したりしています(笑)
    今後も夏目の成長が楽しみですね〜。

    返信削除

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