以下、ネタバレありまくり。とっても長いので注意。
総評として、とても楽しめた。けど良い点ばかりでもなかったので、箇条書きっぽく挙げていこうと思う。
とても良かった所
☆リンクバトル楽しい。
パーティの誰かと2人組になって戦うリンクバトルは、何も考えずにボタン連打していてもペア相手がそれなりに動いてくれるし、色々考えながら動いても奥が深い。考えながらの戦闘は大好き。
協力して放つリンク・アーツは、簡単に出せる割に演出も派手だし威力も高くて爽快。反面それを繋げるリンク・チェインは、有効活用するには工夫が必要。敵を吹っ飛ばす技(滅爪乱牙とか)の後に近距離にしか当たらない技(エアリアルファイアとか)を出しても意味が無い。逆に近距離→吹き飛ばし→遠距離なら全部当たるので良い、といったように何をどの順で出すか考えるのが、七花八裂・改(刀語)のようで楽しかった。そこにキャラ切り替えによるバリエーションを加えると、組み合わせは無限に近い。そこから自分の定番を生み出していくのが楽しい。
ストップフロウに頼るのは負けな気がしつつ、アンノウンのボスでは乱発するハメに。
☆成長が楽しい。
レベルアップ時に得られるポイントを任意に振り分けて成長させる。TRPGっぽくて好み。
- 外への拡張を優先(僕はコレ)
- 術技の獲得を優先(リンク・アーツを早くから楽しむならコレ)
- スキル獲得を優先
- ステータスを優先
良かった所
○ミラの主人公っぷり。
僕にとっての「これぞ主人公」像をミラは過不足なく充足してくれた。格好良いなー。色々悩んだり騙されたりもあるんだけど軸は絶対ブレない、筋が通っている事が主人公の資質だと思う。
ミラは、かなり根本にある存在理由というか、前提条件が揺るがされてしまうのだけれど、それでも自分を見失う事なく、新たな前提に柔軟に対応した上で使命を貫いていく。この種の主人公像に付帯しがちな「頑迷」という属性も備えておらず、本当に好きになれる、憧れを持てるキャラクターになっている。
ちょっとだけ、精神性が、黒神めだか(めだかボックス)に似ている。僕はめだかよりくじら派ですけど。
○キャラ特性、特にジュードの集中回避。
どのキャラの特性も面白かったけれど、特にジュードの集中回避はそれ自体がゲームのような中毒性が。スキルをとればフロントステップでも回避するようになって更に楽しくなった。連続で決まると俺TUEEEEEEな気分が味わえる。
ローエンをスレーヴにしてスプレンダータイムに頼るのは負け…なのだろうか。こちらもかなり使った。飛びかかってくる黒猫(魔装獣)とか貴重な瞬間をじっくり見られて楽しかったり。普段は速すぎて見えないので。
でも一番使用回数が多かったのはミラの特性:魔技だった。そもそもミラで普通に術を詠唱した事が数えるほどしかない。器用貧乏になりがちな魔法戦士だけど、エアリアル系のスキルと合わせてスピーディでやりがいのある良キャラにまとまっている。
スイッチングティポはもうちょっと素早くできると…強くなり過ぎるかな?スイッチの際はミラをスレーヴにしてテンプテーションをかます。
○街並みや風景が綺麗。
イル・ファンは本当に綺麗。イル・ファン南側の平野も良い夜の風景だった。エレンピオスとの対比もあって、あっちからリーゼ・マクシアに戻ってくるとどこもかしこも美しく見える。
○アタッチメントの調整。
色、位置の調整ができるおかげで着せ替えが楽しくなって、かなり長い時間を費やした気がする。
殿様ちょんまげを花のような色にして、エリーゼの頭に埋めてコサージュにするのがお気に入りらしい。鼻たれ汁の有効活用法があるなら知りたい。
○色々親切。
例えば、R1ボタンで次行くべき場所を示してくれたり、殆どのボスは直前にセーブポイントがあったり(というかセーブポイントが異常な程あったり)、サブイベントの発生タイミングや進行をスキットで教えてくれたり、そのスキットはいつでもメニューから再生できたり、何故か道具屋さんが僻地に立っていたり、その他色々と親切設計。
RPG慣れしてない人でも進行に困る事は少ないんじゃなかろうか。戦闘に関しても、難易度を下げてしまえばかなり楽になるし。
メタ的に良かった所
いい意味で、シナリオ上明かされていない点が多い。それはつまり、妄想の幅があると言う事。下で長々と書く通り、シナリオ終盤は少々(?)残念だけれど、二次創作には走り易いんじゃなかろうか。
例えば六家。明示的に出てきたのはファン家、シャール家、トラヴィス家の3つ。後は似たような文書があるからこれも六家なのかな?と思われるのがイルベルト家とズメイ家(あと1つは見逃したか忘れてしまった)。
イルベルト家ってローエンも高位貴族だったの?とか、ズメイをzumeyと綴るならミュゼのアナグラムじゃね?とか、妄想のスイッチはそこかしこに散らばっている。
良くも悪くも、本作の特徴
・2周(両主人公)プレイする事が前提。
片方だけクリアした状態だと、色々謎が残るはず。その謎というかもやっと感は、ちゃんと2周目へのモチベーションになるようにしてくれていると(僕は)感じたけれど、面倒臭いって人はいるかも知れない。
両方やらないと全体像が見えないので、片方で終わっちゃう人はもったいないなぁと思う。
・サブイベントも見ないと…。
更に、両主人公の本編シナリオだけを進めていくと、主人公以外のキャラクターについては色々とはっきりしない部分が残る。伏線だけ貼られて回収されずに終わった、みたいな事になってしまう(レイアの怪我とか。アルヴィンとプレザのあれこれとか)。
あくまで本編はジュードとミラのお話なので、その中で語りきれない部分があるっての悪い事じゃない。エリーゼの家のイベントとか良い話だけど、本筋とは関係ないのは確かだから。
・オートアイテムの指定が細かくできる。
個人的には凄く良かった所なんだけど、人を選びそうな感じ。つまり面倒臭いと感じる人も居そう。
確かに旧作では、CPUが勝手に投げるアイテムに文句をつけたいシチュエーションがないでも無かったから、良い試みだとは思う。アイテムボールを新たに入手した時に、お勧めの設定を追加してくれるとか、或いは設定を促すとかしてくれたら、もっと良かったんじゃなかろうか。
惜しい所
惜しいというのは「もうちょっとどうにかして下さいよー」的な意味で。つまり、ここらが解消されたらもっと良くなるのになぁ、って点。
- メニュー画面でOVLゲージが確認できない。
ToVでは表示されていた。戦闘に入らないと分からないのは、他が親切なだけに不便。 - 1人だとどうやってもオーバーリミッツできない。
あの名勝負やあのタイマンで秘奥義を決めたい!と思っても1人だと土台無理っていう。 - 左下のショートチャット、見逃したら二度と見られない?
発生と同時に戦闘に突入してボイス聞き逃しちゃった、とか。 - ムービープレイヤーは…?
欲しいなー。ufotableさんの綺麗なアニメだけに何度も見たくなる。是非。 - ミュゼのヤンキレは何なんだよ。
マクスウェルが彼女を放置した理由は知りたいかな。 - ガイアスさん強すぎませんか!?
ゲームバランス的な意味ではなく、設定上ただの人間なのに何なのアンタ、って意味で。ちょっとでいいからその強さの根拠を説明してくれぇ。 - ジュードの罠。
君が王の狩場って言うから、それを信じてどんだけイスラ探し回ったと…!(笑)
シナリオの最終局面が急ぎ足過ぎて、詰めが甘すぎて、盛り上がりについていけなかった。
「もう話し合う余地はない、後は戦うしかない」という展開に対して、プレイヤーが(僕は)「え?そんな事なくね?」と感じているのに、そのままラスボス戦へと雪崩込んでしまったという。
まずガイアスさん側。
源霊匡の制御をヴォルトでしか試していないっぽい。ちゃんとバランさんに話を聞いて、微精霊クラスの源霊匡に触れてみれば、
戦いが終わった後、ローエンあたりから改めて話を聞いて「なーんだそうだったの、じゃあオリジンでいいよね」とか手の平を返すガイアスさん。話し合う余地あったじゃん。
次にジュード側。
お前は何が気に入らないんだよ感。恐らくは、ガイアスがエレンピオスの人から問答無用で黒匡を奪おうとしている点、つまり他人の意志や信念を踏みにじっている点が気に入らないのだろう。それは分からんでもない。
ただ、自分だってエレンピオス人に問答無用でコトを進めようとしてるくせに、自分は正しいみたいな顔をして欲しくないね。
ジュード達がやろうとしている事に鑑みれば、エレンピオス側の為政者、ないし異界省のお偉いさんとか、そういうポジションの人に全く話を通さないってのは決定的にマズいと思うんだ。それさえしていれば少しは独り善がり感が薄れたのに。
まぁToVでも似たようなイベントがあったから、カブらないようにっていうメタな配慮だったのかも知れないけど。
黒匡が壊されればエレンピオスの人、特に身体的弱者は困るだろう。それは確かなんだけど、そこで介護とか福祉とかいう発想が出てこないのが不思議でならない。お前医者の卵だろう。ガイアスさんのいう、強者が弱者を支えるって理想は(エレンピオス人を含めるかって問題はあるけど)福祉の思想そのもので、黒匡を壊しても福祉がしっかりしてれば悪影響は限定的なんじゃないかな。
もしガイアスさんが、「黒匡がなくなって困ったエレンピオス人」=保護すべき弱者 と認識しているなら、それで何の問題があるんだ?
まだある。ジュード君に言いたい事は一杯ある。
リーゼ・マクシア人もエレンピオス人も、それだけでなく精霊も守る、っていうのがパーティの目的だと思うんだが、黒匡を残す事によって精霊は(しばらくは)死に続ける。断界殻のマナで自然を保つって措置はエレンピオスが即座に滅びないだけであって、マナがあっても黒匡が使われれば精霊は死ぬ。その事をジュード君はどう考えているんだろう。
ミラにしてみれば大きな問題はない。「精霊は生死ではなくその存在に意味がある」であって、死んだ分は新たに誕生させれば良い、という価値観だから。ジュードも同じ価値観を持っているとは思えない。持てているとしたら大したものだ。ミラが死んでも同じようにさっぱりしてろよ?
メタな視点=プレイヤー視点では、ミラ編の精霊界でのサブイベントにて、黒匡が使われる事により精霊が死ぬ場面を見る事ができる。それを見たプレイヤーは、それを「精霊なんだから死なんて大した事じゃないよね」とは受け止められない。感情的に没入していれば「黒匡はすぐにでも使うのをやめないと!」と、むしろガイアスさんに共感してしまう。そしてジュード達の選択について、「それっていわゆる『大を生かす為に小を殺す』選択だよね…RPGの主人公がそれやっちゃうんだ」みたいな事を感じる。
最後に、源霊匡について。
リーゼ・マクシア人が増霊極を使って精霊の化石を源霊匡にしてしまえば、それでずっと動き続ける、なんて事は考えづらい。それじゃ永久機関になってしまう。エネルギーの補給は必要なはずで、順当に考えればリーゼ・マクシア人の霊力野から出るマナがそれに充てられるだろう。 あれ? それって異界炉計画と大枠は変わらないじゃん、っていう。
最後にミラ側。
最終局面では既に精霊界で生きる覚悟を固めていて、人間社会のありように細かく口出しするつもりがないようだから、ジュードに対して長々と連ねた上述の指摘は当てはまらない。
変に恋愛要素を持ち込んで物語を逆セカイ系(世界の問題を個人間の恋愛の問題にしちゃう)に貶めたのはミラかも知れないけれど、そこを責めるつもりはない。
あえて言えば、マクスウェルになる事を殊更大げさに、思わせぶりに語っている所だろうか。世精ノ途みたいなものはきっと必要になるんだし、それが存在する事に問題はないんだろうし、単に作り直したらいいんじゃないの?とは思う。実際シルフモドキは行き来してるみたいだしさ。
最後に
長々と不満を書いてしまったけれど、最後の部分を除けばシナリオも面白かったと思ってるし、ゲーム全体として見れば凄く楽しかったのも本当だ。この文章量だとちょっと信じて貰えないかも知れないが。
僕がこのゲームをがっつり楽しんだ事の証左に、印象的だった点を箇条書きにしておこう。大体ゲームの流れに沿ったので暇な人は追体験すればいいよ!存外に長くなった。楽しかったぜ!
- 剣を扱えないミラ様が可愛い
- アルヴィンの脚力パネぇっス
- ミラ様の読書経験(「受けの美学」とか)
- プレザの服とかエロ過ぎる
- イバル光るなウゼえwww
- アルヴィンはプチ裏切りを軽いノリで沢山しちゃうタイプ
- ティポの真似をするローエンお茶目
- 狙撃兵をハンドガンで仕留めるアルヴィンさんパネぇっス
- クレイン死亡後のローエンは実に良い
- ナハティガルに斬りかかるミラ様の異常な迄の信念貫きっぷりも良い
- レイアのメモが気になる
- ティーチミー、バリボー!
- ローエン楽譜読めないのかよ!
- レイアの棍が伸びる仕掛けにはがっかりだよ!
- イバルはいつ来てもウゼえwww
- 狂おしき愛の叫びwwww
- ガイアスさんは唯我独尊系で格好良いなあ
- ウラギリモノを、ダンガイしろー!
- アグリアのテンションにはいつもついていけない
- おいこらイバル。
- ジランドさん顔変わりすぎ
- ジャオさんは専用の死にアニメ作ってもらって良かったね
- 踏むんじゃねえアグリア
- 一人になると心細いのはリンクバトルが楽しいからだ
- 人間が…精霊を直接使役すると…いうのはだな…(性的な意味で?)
- ウィンガルさんはローエンにつっかかりたいだけですよねソレ
- 俺の城に行くのに策を弄するつもりはない!カッケー
- イwwwバwwwwルwwwww
- ジランドさんの戦闘スタイルは格好良い
- ちょ、ちょアルヴィン何してくれてんの!?
- イフリートの足が短くて可愛い
- マクスウェル爺の器が小さくて軽く萎える
- エレンピオスの政治が生々しい。3.11後の日本みたいじゃん。うわあ笑えねえ。
- そろそろシナリオについていけない(上述)
- おいこらアルヴィンーーーーーー!!!!
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