漫画版の原作を務める西尾維新氏が本作の作者も担当しています。
黒神めだかは自身について、堂々と「すべての人の役に立つために生まれてきた」なんて言ってしまう
「目安箱に投書した人の」相談に乗るという事はそうでない人との区別が生じますから、「すべての人の」ではなくなってしまうんですよね。
などという、瑣末といえば瑣末な齟齬について「わたし、気になります!」と言われたかは全く定かではありませんが、この小説版を読む事で一応は納得できる説明がつけられています。
これは、めだかボックスが生まれるまでのお話です。
以下、ネタバレというほどのネタバレはありません。
登場人物
舞台が100%学園内なのにも関わらず、教職員は理事長・不知火袴ただ1人しか登場しない漫画版に対して、小説版の主要登場人物は4人とも教員です(1話につき1人の教師がめだかちゃんとやり合う4話なので、めだかちゃんは出突っ張りですが)。
ただ個人的には半袖ちゃんの見せ場があったので満足です。
あとコミックスでは未だ活躍の片鱗しか見せてくれていない選挙管理委員長・大刀洗斬子さんが働いているレアなお姿も読む事ができます。彼女のかなり怖い言い間違い?冗談?には電車の中だったのに笑わされました…orz
4人の小説版オリジナルキャラクターは、しかし漫画版と関わりがないわけではなく、登場しないだけで関わってはいるという面白い位置づけでした。
- 元・生徒会執行部顧問(めだかちゃんの会長当選後は関わりようがないですが、あの先輩を通じて)
- 生徒会執行部顧問(出てこない方が不思議だったけど、これ読む限り今後も出て来る事はないですね)
- 安心院さんの悪平等端末(安心院さんがそんなに多くの端末を持ってる理由がやっと説明されました)
- 球磨川ちゃんや江迎ちゃんのクラス担任(居ないんだと思ってたけど流石に居たようです)
ダメな奴とデキる奴とか、保守と革新とか、教師と生徒とか、そういう国境線で起こる摩擦や対立から生まれる素晴らしいものもおぞましいものも、全部ごちゃ混ぜにして台無しにするような小説でした。
4人の教師は誰1人としてめだかちゃんの味方ではない(中立〜対立)のでそのせいかも知れませんが、デキ過ぎる革新派生徒・黒神めだかはかなり否定的な描かれ方をしています。
否定的というか、マイナス的、でしょうか。デキる奴を下から睨め上げるような。羨望の眼差しのような。そんな視点から描かれているように感じるのです。
「アイツはデキる奴だからしょーがねーよ」
みたいな雰囲気があるのです(上記は引用ではありません)。
そういう視点や感情に同調するのは、僕にとって全然難しい事じゃないので、楽しく読む事ができましたけどね。リア充様には読みづらいのかも知れません。ぺっ。
補足
ラスト付近で何の前触れもなく「平戸」なる生徒の名前が出てきて、うっかりしている読者の方はお忘れかも知れませんが平戸ロイヤルさんの事です。
フルネームを聞いても思い出せない?それはいけませんね!
なんだか凄いライバルのような雰囲気を出しながら登場をしたにも関わらずめだかちゃんに瞬殺された出落ちキャラ…であった筈が何故か人気投票で13位になってしまい、以来作品内で色々とネタにされている平戸ロイヤルさんです。美味しい所で再登場する人。
えっ
この小説内(下巻)には、本編=漫画版の今後の展開について、コミックス派にはネタバレにあたる記述があります。
いやまぁ、想像はついていたしどうせそうなるんだろうなという予想はついていましたが…。
モヤモヤしますね、早く本編の続き、はよはよ!
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