2013/06/01

ゲーム感想)セブンスドラゴン2020/SEGA

この春『セブンスドラゴン2020-Ⅱ』が発売になりましたが、今回ご紹介するのはその前作にあたる『2020』です。発売は2011年11月。
そもそもはⅡがやってみたくなったんです。で、「まずは1作目からやっといた方が良いのかな?」という思いでベスト版を購入。カジュアルモード(難易度設定=低)でサクッとプレイしました。
その割にこの記事がサクッと軽くないのは、面白かったのでついつい沢山書いてしまった結果です。いやはや、これはⅡにも期待が持てますな。

以下、ストーリーのネタバレはありません。


あらすじ/世界観

『突如、地球をドラゴンが襲った。対抗し得るのは、特務機関ムラクモのみ。』(公式サイトより引用)ということで、いきなり地球が大ピンチ、みたいな状況から始まります。

キャラクターのビジュアルが↓のようにポップで可愛い感じなので、僕は勘違いしちゃっていました。ふわふわ柔らかいRPGなのかなって。
が、ストーリーはあくまでリアルでヘヴィです。


会話時に表示される顔と、マップに表示されるチビキャラ。可愛い。

具体的に言うと、序盤で登場したキャラクターが結構な数、死んでいきます。誰がいつ死ぬとかは伏せますけど、名前のあるキャラもないキャラもぽんぽん死んでいきます。無力感とか絶望感とか、色々迫ってくるものが…。
ちなみにイベント内で選択肢が出ることもありますが、どちらを選んでもストーリー分岐等はありません。一本道です。つまり死ぬキャラはどうあっても死に、助けることはできないと。。。

主人公達は、戦闘に関して最上級の才能(S級)を見出されたエリート達です。ドラゴン退治の最前線に立つと同時に、最も厄介なドラゴンに最高のコンディションでぶつける必要があります。
その為、時には才能と実力に劣る(A級以下)人員を捨て石にするような作戦を取らざるを得ない局面もあります。当然、捨て石にされたチームは高確率で死んでいきます。

当然といえば当然ですが、戦場はそんな殺伐とした世界です。

脇道/戦わない人々

とはいえ、生き残った人類の殆どは非戦闘員です。唯一の拠点である東京都庁に身を寄せ合い、戦いからは離れて暮らし始めます。
彼らとの会話の中には、コミカルで笑えるシーンもあって、ちょっと癒しになったりもします…が、やっぱり人はどんどん死んでゆく…。

でも僕が強調しておきたいのは、ただ暗く悲しいだけではないという事です。プレイヤーの感情移入を誘う完成度の高い会話シナリオなので、最終的にはかなりの数に昇る住民全員の話を聞くことも苦ではありません。
微妙にネタバレちっくではありますが、僕が非常にぐっと来たエピソードを紹介しておきます。

「大事な何かを忘れてるのは、すっごい気持ち悪いんだけど…」

ある(元)5人組の話。
彼らはドラゴンが来る前はいつも一緒の仲良しグループでした。しかし彼らが住んでいた街に1匹のボス級ドラゴンが飛来します。それは人を混乱させる燐粉を振りまく毒蛾のようなドラゴンで、街中丸ごと、人間はみな正気を失い同士討ちを始めてしまいます。
主人公達がそのドラゴンを討伐することで、混乱自体は収まります。しかし時既に遅く、5人組の内3人は友の手にかかって命を落としていたのです。

生き残った2人の内、片方は混乱中の出来事を覚えていますが、残る1人はショックの余り正しい記憶を失っています。「昔からずっと仲良しの『2人組』だった」と思い込んでいるのです。
覚えている方は、主人公達を含む周りの人間に懇願します。

「あいつに辛いことを思い出させたくない。余計なこと言わないよう気をつけてくれ」

ちょっとした違和感で記憶が戻りそうになり、その度に心配を募らせる。僕はすっかり感情移入してしまい、「頼むから思い出さないでくれー!」と思いながら話を進めていきました。


…最終的にどうなるかは、実際にプレイして頂くとして。

以上の話はメインストーリーとは特に関係がないので、聞かなくても問題なくエンディングまで辿り着けます。ですが、こうした胸を刺す物語が脇道に沢山転がっているのが本作品です。
本筋だけを突き進むのではなく、住民一人一人の話を丹念に聞いた方が絶対に楽しめるだろうと思います。個人的には強く推奨したいところ。

本筋/戦う人々

そんな非戦闘員を守って戦うのは主人公達だけではありません。先に述べたA級の人員や自衛隊が主な面子ですが、『SKY』という若者達のチームも独自にドラゴンと戦っています。このチームのリーダーであるタケハヤという青年のカッコ良さといったらプレイヤーキャラクターよりも主人公度が高いんじゃないかという有様で、頑張らないと食われてしまいます、立場的に。

何を頑張るかって?
妄想ですよ!

この作品、世界樹の迷宮に携わったスタッフさんが複数名関わっておりまして。だからなのか分かりませんが、世界樹シリーズと共通点があります。
主人公達の性格、人間性、過去、戦う理由…そういうものは殆ど説明されません。ムラクモ機関に才能を見出されたという以外、設定が存在しないのです。そこはプレイヤーが自由に考え、妄想し、設定することを許されています。もとい、推奨されているのです。

ストーリー分岐なんて無いのにニュアンスが異なる選択肢が用意されているのも、タケハヤという主人公度の高いキャラクターがライバル的に活躍することも、プレイヤーの妄想を後押しする仕掛けと感じました。
好きなキャラクターを流用してなりきりっぽく遊ぶのもアリだと思いますが、ビジュアルの選択肢は余り多くないので難しいかも知れませんね。
声(声優さん)はなかなか選択肢が広いので、ここから想像を膨らませていくのが良いんじゃないでしょうか。

マイ・パーティ

というわけで、最後に僕の(かんがえたさいきょうの)パーティを紹介します。

ハッカー:ヘイヴン君(CV:神谷浩史)

職業:プログラマ&趣味:ゲーマー(逆?)だったのが、突然ムラクモ機関からスカウトを受け良く分からないまま訓練に放り込まれた。

「壊れたら元も子もない」
そんな危なっかしい彼の元に集まったのは、まずはマモノ退治に異様に積極的な子供。そして若過ぎる2人を心配するようにふらりとやってきたおっさんだった。

始めの内はゲーム感覚で闘っていたが、痛ましい経験を重ねる内に被害を最小限に留める戦い方を重視するようになる。
『スリープオール』で足止めし『ディフェンスゲイン』で守りを固めることが多い。安全と見れば『アタックゲイン』で一気に殲滅にかかる。

初期のボス戦で戦闘不能になったフェイクを、打たれ弱いという理由でチームから外すべきか随分悩んだらしい。リーダーを任されてしまった重圧もあった。
しかし彼は、成り行きで集まったこのチームを切り捨てることなく最後まで貫くことに決める。彼が池袋で学び取ったのは、そんな教訓だったのだ。

デストロイヤー:シゲン(CV:杉田智和)

「今日から俺は、アルマゲドーン!」

暗くなりがちな(真面目な)チームのムードメーカー。脳筋をネタにする三枚目。元々はどこかの軍人だったらしいが、銃の腕が壊滅的にダメで拳を武器にするようになった…と本人はおどけて語るが、本当かどうかは良く分からない。

『釣瓶マッハ』→『スピネイジブロウ』で敵の防御力を下げた後、思うがまま殴り倒すのが彼のスタイル。リーダーのヘイヴンが『パリングシールド』を要求したのに攻撃に走ることもしばしば。
ただし『迎撃スタンス』で攻撃を自分に引き付け仲間を守った上でカウンターを放っている。殴れれば良いらしい。…いや、殴られるのも悦いらしいが。

「キレイなおネーちゃんとチーム組みたかったなぁ」
とぼやいてはフェイクに蹴りを食らっている。
ミヤの連絡先を手に入れてVIPルームに誘いたいらしいが、今のところ成果は上がっていないようだ。

※冒頭で挙げた制服姿の女性がミヤさんです

トリックスター:フェイクちゃん(CV:茅原実里)

「…殲滅完了」
お嬢様育ちながら誰よりもマモノ&ドラゴン退治に積極的な少女。基本ローテンションだが、シゲンを蹴っている時と銃を撃っている時だけは生き生きとしている。

※その時シゲンも生き生きとしている。

『エイミングショット』『ラッシュショット』と、狙いを絞って大ダメージを与えることを優先する彼女のスタイルは、トリックスターの素早さとも相俟って結局はパーティ全体の被ダメージを低く抑えている。本人にその自覚はないがヘイヴンからも頼りにされているようだ。

チーム編成に意見はなかったが、できれば先頭に立って歩きたいらしい。歩く順序が戦闘に関係しない初期は実際にそうしていたが、スキル『チーターマン』を取ってからは効率を考えて最後尾へ移動。この並びが最速行動に無駄が無いのです。
口には出さないものの、内心ではお姫様気分を味わえないフラストレーションを溜めているらしい。休憩中にはミィナを後ろに連れて散歩したりしているようだ。


←ミィナはフェイクのお友達。

彼女は作戦をナビゲートしてくれるオペレーターで、戦いはしませんが頼りになる4番目のチームメンバーです。


このゲームにストーリー分岐は無いと書いてしまいましたが、ここだけはプレイヤーの選択が反映されるのでした。
ナビゲーターにはミロクという少年もいます。ミィナとミロクのどちらかを、物語の初期で選ぶわけですね。ちなみにその際、望むなら新たな名前を与えることもできるので、妄想の一部として組み込んで行くのも良いと思います。それぐらい接する機会の多い相手ですからね。


というわけで、以上マイ・パーティでした。
皆さんはどんな妄想を膨らませるのでしょうか。どうか楽しんで下さいね。

 

(今回は左側にある1作目をご紹介しました。右側のⅡも購入予定なので、いずれ触れるかも知れません)

ではでは。

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