ドクター・ショッピングとは、患者が病院から提供される医療に満足できない等の理由で沢山の病院を渡り歩く、言わば医者のハシゴ行為です。
本書の著者である小野繁氏は外科出身の医師ですが、口腔外科時代に多く出会った不定愁訴の患者さんに対応する為に心療内科に転向し、2004年には「頭頚部心療科」という医科を新設したという経歴の持ち主です。
その中で出会った数多くの実例に基づいているので説得力がありますし、「藪医者は多く居る」とはっきり書くなど医師寄りに終始しないスタンスには好感が持てます。内容には同意できない点もありましたが、医者巡りをする内に分からなくなっていた事を改めて開き直らせてくれる一冊でもありました。
この本は、ドクターショッピング真っ最中の患者さんを即座に救ってくれたりはしないでしょう。ですが、闇雲に医師から医師へ渡り歩いてしまっているなら、落ち着いて自分を客観視する助けになってくれる筈です。
どちらかというと患者よりも医師の方々に読んで欲しい気がします。この本が例示するダメな医者にそのまま当てはまる医師はそれなりの割合で存在して、それは患者にとって大きなストレスですから。